展覧会紹介
宇都宮美術館開館25周年記念 二つの教会をめぐる石の物語
聖別1932年(昭和7)の「カトリック松が峰教会聖堂」(栃木県宇都宮市松が峰。設計=マックス・ヒンデル)、及び聖別1933年(昭和8)の「日本聖公会 宇都宮聖ヨハネ教会礼拝堂」(栃木県宇都宮市桜。設計=上林敬吉)は、ともに大谷石を用いたリヴァイヴァル様式の近代建築として、所在地の宇都宮はもとより、全国的にも知られる美しい姿かたちの歴史的建造物です。
本展では、これらの二つの聖堂と礼拝堂について、(Ⅰ)教会建築への誘い、(Ⅱ)二人の建築家と二つの教会、(Ⅲ)同時代性・近代建築との接点という文脈で掘り下げます。導入の「教会建築への誘い」は、キリスト教の世界観、西洋建築の歩みを通じて知る教会建築、日本近代の聖堂・礼拝堂の始まりをわかりやすく紹介します。中心となる「二人の建築家と二つの教会」においては、美術作品にも登場するヒンデルの教会建築、学校や病院、上林敬吉と、ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー、ジョン・ヴァン・ウィー・バーガミニら周辺の建築家たちの多様な業績に焦点を当てます。結びの「同時代性・近代建築との接点」は、大正年間・昭和戦前に実現された施設のうち、石、煉瓦、鉄筋コンクリートの使い方や、モダニズム志向、建築家の個性などの点で、注目すべき事例を取り上げます。
三代・歌川広重
《横浜商館天主堂ノ図》
1870年
神奈川県立歴史博物館蔵
内田進久
《教会》
1938年
栃木県立美術館蔵
《宇都宮教会献堂式記念写真》
1932年
カトリック松が峰教会蔵
織田一磨
『画集新潟風景』より
《異人池秋景》
1929年
東京国立近代美術館蔵
雑誌『The Spirit of Missions』
1934年5月号より
《宇都宮聖約翰教会礼拝堂全景》●
立教大学図書館蔵
上林敬吉
《日本聖公会 前橋聖マッテア教会
マキム主教記念礼拝堂 内部スケッチ》●
1950~1951年頃
学校法人聖路加国際大学蔵
ジェームズ・マクドナルド・ガーディナー
《日光真光教会礼拝堂》(現・日本聖公会 日光真光教会礼拝堂)●
聖別1916年
古橋柳太郎
《日本組合基督教会
安中教会新島襄記念会堂》(現・日本基督教団 安中教会新島襄記念会堂)●
献堂1919年
ウィリアム・ウィルソン
《川口基督教会二代礼拝堂》(現・日本聖公会 川口基督教会礼拝堂)●
聖別1920年
ジョン・ヴァン・ウィー・バーガミニ
《東京諸聖徒教会礼拝堂》
撮影1931年
日本聖公会 東京諸聖徒教会蔵
マーフィー・アンド・ダナ建築設計事務所
《立教大学礼拝堂 内部透視図》
1912年
立教学院史資料センター蔵
アントニン・レーモンド
《東京女子大学講堂・チャペル》(現・東京女子大学講堂・チャペル)●●
献堂1938年
●スライド・ショー ●パネル展示 ●資料展示
展覧会情報
会 期 | 2023年2月19日[日]~ 4月16日[日] 終了しました |
---|---|
開館時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)、3月22日[水] |
観覧料 | 企画展またはコレクション展のチケットにてご覧いただけます。 [コレクション展料金] ・一般 310円(250円) ・大学生・高校生 210円(160円) ・中学生・小学生 100円(80円) ()内は20名以上の団体料金 ※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者(1名)は無料。 ※宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料。宮っ子の誓いカードまたは学生証をご提示ください。 ※毎月第3日曜日(2月19日、3月19日、4月16日)は「家庭の日」です。 高校生以下の方を含むご家族で来館された場合、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料。 ※4月1日[土]「市民の日」は、宇都宮市民の方は無料。 ご来館の際は住所が確認できる身分証明書をご提示ください。 |
主 催 | 宇都宮美術館、下野新聞社 |