TOPICS017:見どころ紹介+ショップ情報 その③ 17.05.2018

ボンジュール!皆さん。寒暖の差が大きいお天気が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
他の連載記事とも連動するかたちで、本展の「見どころ」を紹介する「ウェブ上の展示案内」も三回目となりました。今回は、三つの展示空間でポイント的に登場する「展示ケース」に注目してみましょう――


ケースの中には、エディトリアル・デザイン、ノヴェルティ、小型のデザイン画、スケッチブックなど、近寄って見ていただきたい作品が集められています。壁面のポスターや原画との接点を探る、両者の比較を行うと、サヴィニャックの仕事、その表現についての理解も深まります。


たとえば、《「ビール33」原画》(1961年)は、向き合う壁に並ぶ《ブリュナは温まるビール》(1950年)《チンザノ》(1951年)のポスターと見くらべることで、同じく「動物をアイキャッチャーとするアルコール飲料の広告」であっても、それぞれの商品にふさわしい図案をサヴィニャックが編み出した点に気づきます。ちなみに「ビール33」はフランス生まれ、ヴェトナム育ちのラガー(1975年のヴェトナム戦争終結後、同地では「エクスポート・ビール333」に名称変更。フランス製品は「エクスポート33」)、これに対して「ブリュナ」(現「AMAブリュナ」)はアメリカ生まれ、イタリア育ちの濃厚なベルギー・エールです。


また、この原画は、裏面にも別作のための未完の絵、もしくは描かれた紙の再利用によって部分的にカットされてしまったのかも知れない《「CIC銀行」原画》が描かれ、それを観覧できるよう、展示に工夫を図りました。生憎と本展には、この銀行(商工信用銀行)のポスター(1963年)こそ出品されていませんが、中央ホールでご覧いただけるドキュメンタリー映像「「街路の人 サヴィニャック」(1986年)で作品を確認することが可能です。

 

別の展示ケースでは、パンフレットの見開きとスケッチの並置も試みました。すなわち、前者は《雑誌『アダン』のための広告:アダンの読者はスポーツ好き》(1965年頃)、これに合致する後者が《「アダン(雑誌)」スケッチ》(1965年)です。パンフレットの他のページには、旧約聖書でおなじみの「アダム」のイメージがさまざまなポーズで現れ、スケッチの裏面を見ると、鉛筆描きの「アダム」がモダンな家のなかでくつろいでいます。なお、1925~73年に刊行の『アダン』は、フランスの隔月刊男性ファッション雑誌でした。


さらに、当館においては、サヴィニャックの晩年の仕事ぶりを窺わせる2冊のスケッチブックを、4期に分けて「めくり公開」します。すでに1期目(4月29日~5月9日)が終了し、現在は、向かって左側のスケッチブックから《トゥルーヴィル公証人のサイン案スケッチ》(より正確に記すと「トゥルーヴィル=シュル=メール、ジャン=ピエール&ヤン・メイモー公証人事務所」スケッチ)、右側に《トゥルーヴィルの切手案スケッチ》「トゥルーヴィル=シュル=メールの切手」スケッチ)を展示中(~5月23日)。

小さい方のスケッチブック(右側)には、8ページにわたって「切手」のヴァリエーションが描かれ、サヴィニャックによる「色とかたちの検討」の足跡が分かります。
※展示室内で配布している出品作品リストは、こちらからダウンロードできます。

[本展グッズのご紹介]
お気に入りのサヴィニャック作品を、図録グッズのかたちで購入できるミュージアム・ショップからは、普段づかいにうってつけの2商品を紹介いたします。

●A6型抜きシール:税込400円
《フリジェリコ:良質の冷蔵庫》を始め、サヴィニャックのポスターに頻出する「指さすヒト+爽快なブルー」による6作品を「紙シール」にした本商品は、忘れモノ・コトが多い自分用にぴったり。封筒に貼って誰かに送れば、ちゃんと見てね!というメッセージも、ユーモアを交えて伝わります。

●トートバッグ:税込1,000円
一番人気の《牛乳石鹸モンサヴォン》、そして個性的な《早く!アスプロ》を表面にあしらった本商品は、デザイン画(再制作)の味わいが厚口の木綿キャンヴァス地になじみます。生地が丈夫でマチもたっぷり、A4サイズ対応とくれば、使い勝手はバッチリ。図録を入れるのにも便利です。

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
※通信販売+全国配送
いたします。
詳しくは、下記までお問合せください。
直通TEL.028-666-8585
E-MAIL:utm_ms@icloud.com

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