NEWS012:記念講演会の詳細 23.05.2018(27.05.2018追記あり)

ボンジュール!皆さん。当館での展覧会期も折り返し地点に差し掛かり、いよいよ来る5月27日(日)には記念講演会「ポスター作家サヴィニャック:ユーモアの足し算・引き算」が開催されます。ついては、その詳細を紹介するべく、まずは「講師プロフィール」を掲載しますので、ご一読のうえ、ぜひ講演会へお運びいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。(23.05.2018記)

講演会の終了に伴い、内容報告とレジュメ(講義録)を追記しました。(27.05.2018記)

●講師プロフィール
植木啓子(うえきけいこ)氏。大阪新美術館建設準備室 主任学芸員。1969年、新潟県生まれ。マンチェスター大学大学院(イギリス)、マルセイユ(フランス)研究滞在を経て、1997年からサントリーミュージアム[天保山]学芸員。同館にて、「マッキントッシュとグラスゴー・スタイル」展(2000年)「ジャン・ヌーベル」展(2003年)「レイモン・サヴィニャック―パリの空のポスター描き」展(2005年)など、主にヨーロッパの建築・デザイン領域の展覧会を企画。展覧会の空間とグラフィック・デザインを「関西のデザイナーとの協働の場」として重視する。大阪から発信し、国内外に巡回した「純粋なる形象―ディーター・ラムスの時代」展(2008年)は、ニューヨークADC賞で金賞を受賞、世界各地で高く評価された。2012年から現職に転じ、企業・行政・大学その他との「デザイン連携」「場の創出」に取り組んでいる。

植木氏が企画された「レイモン・サヴィニャック―パリの空のポスター描き」展の図録は、こちらをご覧ください。

●内容報告+レジュメ
①「ボクは41歳のときに《モンサヴォン》石鹸の牝牛のおっぱいから生まれた」
②「アイデア:ポスターにふる一つまみの塩」
③「誰かと一緒に」ではなく、「誰かのために」つくること
という三つのポイントに沿って、下積み時代から《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)によるデビューまで、サヴィニャックに至るフランスのポスター画家の系譜、広告の手法・表現におけるA. M. カッサンドルとの比較(以上①)、ストーリーのない広告、引き算と足し算の広告、言葉・絵遊びの広告、アイデアをリサイクルする広告(以上②)、1970年代以降の仕事、古典的なポスター画家に徹したサヴィニャックのあり方、その理由と長所・欠点、まとめ(以上③)という内容の濃いレクチャーでした。

豊富な上映画像には、本展出品作品のほか、今回は展示されていないサヴィニャックの重要な業績、フランスのポスター史を証言する他の作家の事例、資料写真なども含まれ、①②③の深い理解の一助となっています。

レジュメに「手書きメモを付す」スタイルの講義録も作成しましたので、講演会を聞き逃された皆さんも、ご来場いただいた方も、お役立ていただければ幸いです。(出力用のPDFデータは、こちらからダウンロードできます)

この記事がお気に召したら「いいね!」をどうぞ。