TOPICS013:見どころ紹介+ショップ情報 その② 05.05.2018

ボンジュール!皆さん。ゴールデンウィークも余すところ1日となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。当館では本日、担当学芸員によるギャラリー・トークの初回が行われ、熱心な観覧者が多数参加されました。トークは会期中の毎週土曜日午後2時から行いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、トークでも触れた本展の「見どころ」の一つに、「巨大ポスターの実物展示」が挙げられます。

その迫力を紹介する前に、まずは「ポスターのサイズ」について、おさらいしてみましょう――
現代日本の場合、ポスターの大きさは、「JIS(日本工業規格)」で規定される「B判」が主体です。基準となるのは「B0」の紙で、縦(H)・横(W)の比率は「1:√2」、同じ比率による各種B判を寸法順に列記すると、
B0:横長H103.0×W145.6cm ◎
B1:横長H72.8×W103.0cm または 縦長H103.0×W72.8cm ☆ ←B0の半分
B2:横長H51.5×W72.8cm または 縦長H72.8×W51.5cm ☆☆ ←B0の4分の1(B1の半分)
B3:横長H36.4×W51.5cm ☆☆☆ または 縦長H51.5×W36.4cm ←B0の8分の1(B1の4分の1・B2の半分)
となります。
このうち◎・☆・☆☆・☆☆☆印を付したものが、街中で見かける「日本のポスター」に他ならず、横長のB0(◎)は「最大の駅貼りサイズ」、縦長のB1(☆)・B2(☆☆)が「最も一般的なサイズ」、横長のB3(☆☆☆)は「小型の中吊りサイズ」です。
では、B0・B1・B2の3種を当館の展示室に並べると、どのようなスケール感になるでしょうか。今回の展覧会では、サヴィニャックが日本のクライアントのために制作したポスターも含まれており、

《としまえん:7つのプール》(1989年)は「B0」、《サントリービール》(1979年)が「B1」です。参考までに、本展の宣伝物は、JR宇都宮駅に掲出されているものが「B1」、送配布(及び館内)用は「B2」。いずれも、展示室の移動壁(H300cm)で見た場合、威圧感を覚えるほどの大きさではありません。これに対して、1920年代頃から巨大化が進み、サヴィニャック絶頂期の1950年代~1960年代にパリを彩ったポスターは、縦・横ともに200cmを優に超えるサイズです。

出品作のなかで最大級の《マギー・チキン・ブイヨン》(1962年)に至っては、H297.5×W398.7cmの変形8枚貼り、つまり1枚仕立てのポスターではなく、分割して刷った数枚の紙を、建造物の壁に貼り合わせることで、一つのイメージが完成される仕組み。個々の紙も、わが国の「B0」以上のサイズを誇り、全体としては、ほとんど「壁画」にも等しいスケール感でした。従って、イメージだけに注目すると、「可憐な子羊」が主役の《トレカ:ウールとスプリングのマットレス》(1952年)も、実物を眼にすると、「怪獣の出現」を思わせる、としても過言ではありません。
なぜ、これほど大きなポスターが制作・掲出されたかについては、新たなトピックとして、本サイトで連載記事を綴る予定ですが、一度はご来館いただき、単に「かわいい」だけではないサヴィニャック作品の「大きさ」も味わっていただければ幸いです。
※展示室内で配布している出品作品リストは、こちらからダウンロードできます。

[本展グッズのご紹介]
展覧会の開幕と同時に、多くのお客様にお立ち寄りいただいているミュージアム・ショップでは、「使って良し・飾っても良し・プレゼントにも最適」のグッズが目白押しです。
●A6判ノート:税込500円
人気の高い《牛乳石鹸モンサヴォン》、そして《ドップ:清潔な子どもの日》を表紙にあしらった本商品は、持ち歩きに便利な文庫本サイズ。ページをめくると、サヴィニャックも原画づくりで愛用した「グリッド」が引かれており、スケッチはもちろんのこと、日記、連絡帳、取材ノートなど、幅広い使い方ができます。

●型抜きメモ:税込500円
《毛糸の15日間》の「羊と毛糸玉」、《牛乳石鹸モンサヴォン》の「牛と石鹸」をかたどった本商品は、一枚ずつ切り離せ、メモとしてのみならず、一筆箋、プライスやメニューのカード用紙など、やはり使い方はさまざまです。名札やタグにしても良し、何枚も並べて窓辺を飾るも良し。
これ以外にも、本展グッズのラインアップは豊富ですので、少しずつご紹介して参ります。
※商品に関するお問い合わせは、ショップ直通TEL.028-666-8585までお願い申し上げます。

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