去る4月9日(日)の午後、鈴木勇一郎先生(川崎市市民ミュージアム学芸員)を講師にお招きし、本展の記念講演会「戦前日本のミッション建築家たち」が開催されました。
鈴木先生は、出身校の青山学院大学、前勤務先の立教学院史資料センター時代から、日本近代におけるミッション・スクールの歴史やキャンパス計画の研究に携わってこられ、キリスト教の伝道と学校建築の関わりについて詳しい方です。
今回の講演会は、プロテスタント教会各派の日本伝道、ミッション・スクールと教派、居留地をキーワードに、明治・大正・昭和戦前に活躍したミッション建築家たちの経歴と仕事に焦点を当てる充実したスライド・レクチャーとなりました。
なかでも立教大学の池袋キャンパスをめぐり、なぜこの学校と深い縁を持つジェームズ・マクドナルド・ガーディナーや、新鮮な提案を行ったアメリカの大御所ラルフ・アダムズ・クラムが起用されなかったのか、そして欧米のカレッジ風に決定したのか、その背景と経緯は、きわめて興味深い内容でした。
このたび、先生のご厚意により、講演会当日に配布したレジュメから、わが国でミッション建築の礎を築いたウィリアム・メレル・ヴォーリズ、アメリカ人の視点で和風を推したクラム、並びに日米の関係者に支持されたヘンリー・キラム・マーフィーの略歴を、「建造物めぐり」の「人物略歴」に転載しますので、ご覧ください。