展覧会の閉幕

 本日、展覧会が閉幕しました。
 この企画は、1932年(昭和7)に聖別された宇都宮天主公教会二代聖堂(現・カトリック松が峰教会聖堂)と、1933年(昭和8)に聖別の宇都宮聖約翰教会礼拝堂(現・日本聖公会 宇都宮聖ヨハネ教会礼拝堂)、その設計者であるマックス・ヒンデル、並びに上林敬吉が主役を務めた建築展でした。
 近代工法と大谷石の採用、西洋中世の復興様式による二つの教会を中心に、二人の近代建築家が手がけた他のキリスト教施設、彼らが生きた時代と、同時代の設計者の取り組みを通じて、大正年間・昭和戦前に起ち現れた「日本近代の教会建築」を「石の物語」という視点で解き明かすことを試みました。
 関連するテーマの美術作品を織り込み、前史となる幕末・明治にも触れるかたちで、ローマ・カトリック教会聖公会プロテスタント教会の聖堂、礼拝堂、会堂、ミッション・スクール、病院の実例を精選して取り上げ、教会建築の精髄と、様式や工法を多角的に紹介しました。

[上]カトリック松が峰教会聖堂 75分の1の外観模型 2022年制作 制作:模型工房「さいとう」[中]「宇都宮美術館開館25周年記念 二つの教会をめぐる石の物語」展示より『ローマ・カトリック教会宣教アルバム 東アジア編』1888年 横浜開港資料館蔵[下]日本聖公会 宇都宮聖ヨハネ教会礼拝堂 50分の1の内部模型(部分)2022年制作 制作:模型工房「さいとう」

 美術作品、印刷物、写真、図面、他の設計図書、建築模型、パネル、スライド・ショーによる展示を補完するものとして、図録(記念出版)、建造物ガイド、記念講演会見どころガイド、そして本サイトを通じて、教会建築を知っていただく工夫も図りました。
 今後は、本展をきっかけにして、二つの教会と二人の建築家、歴史的建造物、地域文化などに対する興味を深め、実際に各地の建物を訪れていただければ幸いです。
 最後に、本展の実現に当たり、さまざまなご協力をいただいた組織と個人、来館された方々、本サイトの読者の皆さまに厚くお礼を申し上げます。