“日本列島の誕生とともに「生」を受けた凝灰岩は、人類の歴史のなかで眠りを覚まし、大谷石と名付けられました。
この石を採る・加工する、それを運び、利用する産業、その精髄を文化に高めた近代建築、有名・無名の建物、建造物を築く技術はすべて、大谷石の恵み、そして地域の糧に他なりません。
これらをより良いかたちで残し、末永く次の世代に伝えることは、「石の街うつのみや」の大切な務めであり、それが達成されてこそ、大谷石はその「生」を全うします。”
映像番組「大谷石の誕生、利用の歴史と地域に花開いた近代建築」ナレーションより
text (C)Utsunomiya Museum of Art
展覧会の開幕から二週間が経ちました。
約1,500万年を生きて来た「石」からすると、微々たる時の経過です。
しかし、この短い時間の間に石は、さまざまなメディアと来館者、そして本サイトをご覧いただいている多くの方々に向かって、自らが経験してきたことを少しずつ、訥々とした石のことばで語り始めています。
それを人のことばに翻訳し、この石と、石の街の明日のために、還元していくのが、展覧会に直接関わる者の仕事です。
写真というメディウムにより、石のことばを翻訳してきた大洲大作もその一人に他ならず、この度、調査研究にまつわる膨大な記録の蓄積、図録写真の提供、サテライト企画に於ける精選作品の発表に加えて、作家インタヴューでは、まさに人のことばで、石について、真摯に語ってくださいました。そのインタビュー映像が公開となりましたので、ご高覧ください。